SOLID THING

ラグジュアリーストリートは終焉し、
フォーマルなスタイルへの回帰

脱ストリートにおいて際立ってくるのが、フォーマルへの傾倒。クチュールメゾンが本領を遺憾なく発揮できるソリッドなテーラードやスーツです。「ジル・サンダー」「ウェールズ・ボナー」は精悍な手練のクラフトマンシップを魅せ、「ドリス ヴァン ノッテン」「ラフ・シモンズ」は端正な仕立てにパンクやグラムの匂いを融合。半身のみフェイクレイヤードのジャケットでエスプリを気取る「エルメス」に、スリムなスーチングを印象付けるヴァージル・アヴローの「ルイ・ヴィトン」も男性服への意欲を十二分に感じられました。「MSGM」は“ハンテッド”と題したテーマで、ビビッドなダウンコートを羽織りインティメート なスーツのアレンジメントを提案。ダークでソリッドな世界観を作り上げた「コムデギャルソン・オムプリュス」は、大胆なパターンメイキングを披露。コレクション全体を通し、ラグジュアリーストリートの終焉、そしてフォーマルに回帰したスーツのポテンシャルをまざまざと見せつけました。