Interview 03

肌のテクスチャーなど、
今は少し遊べる時代

Kanako Yoshida

職種は違えど、ファッションの現場で活躍するクリエイターたちの多くは、客観的なファッション分析とはひと味違ったリアルな意見を持っている。そうした独自の鋭い視点を知ればきっと、今季のテーマ「Destiny Mix」をより多角的に感じることができるはず。

肌のテクスチャーなど、 今は少し遊べる時代

2008年から3年弱ロンドンにいて、その後はパリに行きました。12年から東京に戻ったんですが、その頃のロンドンと今は全然違いますよ。わたしが前にいた時はデジタル全盛期という感じで、B&Wでコントラストがかなり強めでしたね。眉毛もブリーチされているモデルが多くて、目元に強いメイクをして目元をガツンと落としたり。特にロンドンはダークな雰囲気で強い女性像がほとんどだったと思います。今みたいに1人1人の個性を生かしながらというよりは、濃いリップとかでワンポイントをする様なメイクが多かったですね。

少し前までは自然光で、西日で撮るのがほとんどだったのが、最近はライティングを使ってもっとギミックが入った写真が増えてきた気がします。メイクも素のままの肌を生かすみたいなメイクが多かったんですが、最近は肌のテクスチャーを遊んだり、汗っぽい感じとか、変なツヤ感とか。2、3年前だったら「古いかな? 」って思われるようなメイクがまた増えていますね。

ストリートがハイファッションに入ってきて、ストリートキャスティングも増えて個性的なモデルが増えたから、それを追いかけるように少し個性を生かすようなメイクが流行ったのかなと思います。「シャネル」とか大きいメゾンでは、ストリートキャスティングは今は減ってきたと思いますけど。でも人種の幅が広くなってきて、雑誌のエディトリアルページや表紙でもいろんな人を見る機会が増えていますよね。ファッション業界は特に、人種や性別が多様で、いろんな要素のミックスで生み出されてきたクリエイティブだと思っています。今はファッションだけじゃなく、みんなが平等でイコールという概念が広く浸透してきたように感じますね。

吉田佳奈子 メイクアップアーティスト

ロンドン、パリ、東京で活躍するメイクアップアーティスト。現在はロンドンを拠点に、自身の撮影だけでなく、「シャネル」のグローバルメイクアップアーティスト、ルチア・ピカのファーストアシスタントも担当する。

all