SEASONAL TREND Plus Utility

自発的にコーデしたい気持ちをくすぐる
ユーティリティウェアはヘビーユース必然

“着飾る”こと自体が再考されるなか、モードとリアルの融合は次のステージへと向かっている。「ジル サンダー」に「ウェールズ ボナー」「アクネ ストゥディオズ」、デニムウェアを洗練に刷新した「ルイ・ヴィトン」「ロエベ」「アレキサンダー・マックイーン」、そして「ボッテガ・ヴェネタ」や「コーチ」、「ピーター ドゥ」が提案している装いを選ばず着回せるアウターは、アクティブで意欲的な日常を映し出すかのよう。着心地の悪いただデコラティなだけの一着が敬遠されるのは自明なのだから、プレイフルな“Plus Utility”は必要不可欠。

KEY WORD_Denim

2021年春夏を起点にモードシーンにデニムが徐々にカムバックしてきていたが、今季はさらなる真価が顕著。「ルイ・ヴィトン」は仮面舞踏会なランウェイでGジャンを正装のようにテーラリングし、ドレッシーなエンベリッシュメントで再構築と脱構築を試みた「ロエベ」。「アレキサンダー・マックイーン」はタフなレザーとのカップリングで“Y2K”も意識。ボトムスもバラエティ豊富ゆえ、ジャスティンやブリトニーがゼロ(00)年代に好んで着こなしていたカナディアンタキシードと呼ばれるデニム・オン・デニムを取り入れるなら今!

KEY WORD_Craft

ファインクオリティなハンドワークに、有機的な温もりやソフトなフィーリングをさり気なく香らせるクラフトがこのシーズナルトレンドのハイライト。「ジル サンダー」のクリエイティブディレクター2人のクラフトへの愛は健在。ペールブルーのクロシェ編みワンピースには、繊細さとリラックス感が同居しているのが心地いい。「ウェールズ ボナー」はデザイナー自身のルーツであるアフリカの伝統手芸を都会的なリアルクローズにリファイン。「アクネ ストゥディオズ」はティーンのデカダンスなラフさをニッティングでアピールした。

PHOTO_Aflo

KEY WORD_Functional Clothing

2013年にエグゼクティブディレクターの任に就き、1941年創業のアメリカンレザーハウス「コーチ」を変えたスチュアート・ヴィヴァースは、あらためてヤングに目線を向けた。そのアイコンが極めてニューヨーク的と言えるベースボールシャツだ。フロントにはボタン代わりに同ブランドの初代デザイナー、ボニー・カシンの操作性に優れるアイデア=ターンロックをアタッチ。「ピーター ドゥ」や「ボッテガ・ヴェネタ」も、デザイン性やトレンド性が高くても気負わず着られる軽やかな機能的ポストコロナが強調されている。

Plus Utility
Hair designers voice

※レシピはサロン技術者専用の情報です。